血友病の治療

関節内出血の症状と出血時の対応について

症状

まず、出血の前兆として、違和感の出現
・いつもと違う感じ
・なんとなく重たい
・動きがいつもと違う
などを感じることが多くなります。

出血した関節は
・痛み(押さえたり動かしてみると痛い場合も含む)
・はれ
・熱感
の3つの代表的な症状を示します。

ただし、痛みに関しては後述の関節の変形からくる痛みとの区別がつきにくい時があるので注意が必要です。

特徴

出血を繰り返しやすい関節
・膝関節、肘関節、足関節、肩関節、股関節

出血を繰り返すことによって血友病性関節症をみとめるようになります。

対応

出血と気づいてからできるだけ早い時期に補充療法をすることが大事です。
再出血の場合は長期の輸注が必要となります。
定期的なレントゲン検査やMRI検査が必要です。

定期補充療法による出血防止
出血をくり返している時に定期的に2回/週、3回/週というように輸注を行います。
慢性滑膜炎(まんせいかつまくえん) のような場合には治療として定期的な輸注を行います。

装具による出血防止
足関節には有効な場合があります。(特に幼児など)

その他の対応

安静
現に出血している場合には安静が必要ですが長期の安静は筋力の低下を伴い、かえって関節が出血しやすくなってしまいます。
出血初期に輸注した場合でも当日はその関節の安静を保つようにし、入浴も控えておきましょう。

湿布
炎症を軽減するとともに、 湿布をしているという意識から過度の運動を心理的に避ける効果なども期待できます。

関節穿刺(かんせつせんし)
腫脹(しゅちょう) の強度な関節(主に膝(ひざ) 関節)に対してまれに関節穿刺を行うことがあります。

リハビリテーション
定期輸注と合わせて、あるいは輸注なしに大腿四頭筋(だいたいしとうきん) などの筋力を高め、関節への負荷を減らし、出血しにくくするよう各種のリハビリテーションが行われます。慢性滑膜炎の治療にもこのリハビリテーションと定期輸注が効果があるとされ広く行われています。

血友病性関節症

動画で解説 血友病の関節障害

原因

関節内出血をくり返すことによって、 関節面が不整に変形し、 骨がもろくなってくることで生じます。

特徴

レントゲン検査で変形を認めるようになると出血をしていない時にも関節に痛みを感じます。
やがて外見上にも変形を認めるようになります。

対応

出血時には補充療法が必要です。
再出血の悪循環を断ち切るために定期補充療法を考慮します。
定期的なレントゲン検査やMRI検査が必要です。
計画的なリハビリテーションが重要です。
症状に応じて消炎鎮痛剤を服用することも必要です。

出血後の安静を長くとりすぎたり、長期のギプス固定は、関節拘縮(かんせつこうしゅく)を招くので注意が必要です。

慢性滑膜炎(まんせいかつまくえん )

原因

再出血をくり返し、滑膜が増殖し、肥厚することによっておこります。

特徴

非出血時にも関節の周囲が“ブヨブヨ”しており熱感があります。
関節の可動性は残っています。

対応

再出血を防ぐために、 定期補充療法とリハビリテーションを効果的に組み合わせます。

出血しやすくなった滑膜を外科的に切除する方法もあります。

関節拘縮(かんせつこうしゅく )

原因

急性の関節内出血が長引いたり、骨の変化による痛みなどで関節を長い間動かさないと周囲の筋力が弱くなったり、こわばったり、さらに骨の変形を促進して関節が動きにくくなってしまいます。

特徴

膝、肘、足関節に多く見られます。
関節の可動性がなくなれば逆に出血回数は減少することが多いようです。

対応

この状態になる前にリハビリテーションで筋力をつけましょう。

日常生活に不便な場合は、牽引(けんいん )、手術(人工 関節置換術)などを行います。無理に動かすと、かえって出血する場合もあるので、リハビリテーションは慎重に計画します。

出典
  • 血友病教育プログラム ホームインフュージョンマニュアル 武田薬品工業株式会社 福武勝幸 天野景裕 編集

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