血友病の子どもさんを担当する
学校の先生方へ

血友病は、出血したときに血が止まりにくい病気です。
血が出やすい病気ではありませんので、基本的に行動や運動の制約はありません。ただし一旦出血すると、ほかの生徒ではあまり問題にならないような関節の腫れや打撲もなかなか治らず、ひどくなることもあります。出血の止まりにくさの程度は患者さんによって異なります。対処については保護者だけでなく、小さい頃から症状や治療を体験している生徒自身も、適切な判断を下せることが多く、迷う場合には生徒の考えを尊重してください。
症状が出るのは、血液を固める凝固因子(「止血のしくみと血友病患者さんの血液の固まり方について」参照)が少ないことが原因なので、凝固因子を注射で補う治療が中心となります。血友病には「血友病A」と「血友病B」の2つのタイプがあり、血友病Aの場合は凝固因子の第8番因子が、血友病Bの場合は第9番因子が不足しているため、それぞれこの凝固因子を補うこととなります。血液を固めるための補助手段としては、安静、圧迫、冷却なども効果があります(「出血をしたとき製剤の注射以外の応急手当て」参照)。治療後、痛みがなくなり腫れが引くまでは、運動をしたり患部を動かしたりすることは避けてください。同じ場所に出血を繰り返すと、関節が変形したり、動く幅(可動域)が狭くなったりする危険性もあります。
現在は出血がなくても定期的に凝固因子を補充する「定期補充療法(「定期補充療法」参照)」が盛んに行われるようになり、学齢期の児童生徒では、ひどい関節症は極めて少なくなりました。

応急手当て早わかり表

参考:
  • 学校の先生のための血友病ケアノート(監修 医療法人財団 荻窪病院 花房 秀次 小島 賢一)