血友病の治療

筋肉内出血/腸腰筋出血の
症状と出血時の対応について

筋肉内出血

原因

打撲、あるいはスポーツ、無理な姿勢で重いものを持った時などに起こることがあります。

特徴

大きな筋肉では出血量が多いことがあります。
疼痛は激しいことも多く、長期に続くことがあります。
不十分な治療では、周囲の筋肉が弱くなったり、こわばったりすることがあります。
腫れが強いと循環障害、神経障害(しびれなど)をおこすことがあります。

対応

初期に十分な補充を行い、血液の吸収が完全に行われることを確認します。長期の補充療法が必要となることが多いです。
長引くとカプセル化した血腫を残してしまい、最後には手術が必要になることもあります。(血友病性嚢腫)
医師の指導のもとにリハビリテーションを行うことを忘れてはいけません。

血友病性偽腫瘍(ぎしゅよう)

原因

骨膜下出血の反復などにより次第にその大きさを増し、骨破壊をきたし、さらに軟部組織、筋肉にも波及する嚢腫のことをいいます。また、筋肉内嚢腫が2次的に骨に波及した場合も偽腫瘍(ぎしゅよう)ということがあります。
補充療法が遅れたり、不十分であった時に生じやすくなります。

特徴

小児期には手足の小さな骨に発生することが多く、 その進行は急速であり、 隣接する骨にも障害を起こします。
大人では骨盤、 大腿骨などに生じることが多く、 筋肉内血友病性嚢腫が2次的に骨に影響した場合が多いです。 初期には反復性の深部痛が認められ、 また進行は緩徐(かんじょ)ですが、 一度、 偽腫瘍が形成されると痛みもなく日常生活も支障をきたさないため治療が遅れ放置されがちとなります。

対応

血友病性偽腫瘍の状態にならないよう早期発見と十分な量の補充療法を行うことが大切です。
手足の小さな骨の場合には補充療法だけで治ることもあります。骨盤、大腿骨などの場合は通常、手術により摘出しなければなりません。

血友病性嚢腫(のうしゅ)

原因

臀筋、大腿筋などの大きな筋肉にみられ、初期の補充療法が不十分で、筋肉内出血が完全に吸収されないうちに出血をくり返してやがて血腫の外側に線維性のカプセルを作ります。

特徴

出血をくり返すたびに血腫の吸収が悪くなりカプセルは徐々に大きくなっていきます。大きくなると周囲の神経・臓器などを圧迫していきます。

対応

手術により摘出するのが最も効果的です。

腸腰筋(ちょうようきん)出血

症状

激しい疼痛で股関節を伸ばすことができません。
股関節内出血と間違える場合があります。右側が痛む場合、その痛みを虫垂炎と間違えやすいので注意が必要です。

特徴

治るまでに時間がかかります。
出血で腫れた腸腰筋による圧迫で下肢に神経障害(知覚麻痺、しびれなど)を認めることがあります。
出血量が多いことがあります。

対応

安静を保ち、連続輸注が必要です。
医師の指導のもとにリハビリテーションを行うことを忘れていはいけません。
原則として入院が必要です。

出典
  • 血友病教育プログラム ホームインフュージョンマニュアル 武田薬品工業株式会社 福武勝幸 天野景裕 編集

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