患者さんとご家族へのインタビュー

〜血友病と生きる私たちのいろんな気持ち〜

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INTERVIEW

大切な友達との出会い
ともに看護師を目指そうと決めた

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二人でいるときには、病気のことはほとんど話されず、たまに「体調どう?」などと確認し合う程度。二人で遊ぶときは、カラオケやボーリングに行くことが多いそうです。
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武山ユウジさん  ※仮名
千葉県在住
大学生

寺本ユウスケさん ※仮名
千葉県在住
大学生

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血友病患者さんを対象にしたキャンプで出会ったお二人。
ともに、現在看護学を専攻する大学2年生(2016年4月現在)。
ユウジさんの趣味はサイクリング、ユウスケさんの趣味はドライブ。
千葉県内にあるキャンプ場でお話をうかがったのは、大学生のお二人。息がぴったりと合った会話は、まるで兄弟のようです。 支え合って人生を歩んでこられたお二人に、出会いや現在の暮らし、夢などをお聞きしました。
キャンプでの出会いから、同じ大学のクラスメイトに。
気がつけばいつも一緒にいた。
ユウジさん: 僕たちの出会いは、小学3年のとき。血友病患者とその家族が参加する、2泊3日のキャンプでした。
ユウスケさん: 毎年開催されているキャンプです。いろいろな年代の患者さんが30人くらいと、家族や医療従事者も含めて、全体で60人くらいいたと思います。
ユウジさん: ユウスケとは同い年で、自宅も偶然近く、話が合ったんです。気がついたら、いつも一緒にいました(笑)。
ユウスケさん: キャンプでは夜になると、みんなで病気のことも話します。血友病の先輩たちから昔の治療の体験談を聞くこともありました。
ユウスケさん: その後もユウジとキャンプで会うことはありましたが、小・中・高時代の学校は別々だったから、会って遊ぶのは一年に2、3回。
ユウジさん: それが、今は大学もクラスも一緒になり、毎日教室で顔を合わせています(笑)。
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ユウジさんはサイクリングが趣味。お気に入りのクロスバイクで地元を走っているそうです。ユウスケさんの趣味はドライブ。小さい頃から車が好きで、18歳で免許を取得されたとのこと。
家族への恩返しや、社会貢献を夢見て
ともに看護師を目指す仲
ユウスケさん: 大学が同じになった理由は、二人とも看護師を目指すことになったからです。
ユウジさん: 僕の場合は、進路について考えていた時期に「看護師はどう?」と母から提案されたんです。そのとき、祖母の介護や、両親の老後などを考えました。僕はそれまで入院などで病院に行くことが多かったので、「家族に恩返しがしたい」と思いましたし、「若い世代の血友病の子どもたちに自分の立場からアドバイスができたらいいな」とも考え、看護師を目指そうと決めました。母は、僕が本当に目指すことを伝えたら驚いていましたが、「じゃあ、がんばりなさい」と言ってくれました。
ユウスケさん: 僕は小学校低学年のときに、入院したことがありました。6人部屋に一人で泊まることになり、心細かったのですが、ある男性の看護師さんが休み時間に僕の部屋へ来てくれて、いろいろな話をしてくれたんです。そのときの印象が残っていて、通っていた高校の附属大学に進学するか、看護系大学を受験するかで随分迷いました。今通っている大学の見学会にユウジと一緒に行き、最終的には受験を選んだんです。
ユウジさん: ユウスケとは、血友病にしても今の大学にしても、境遇が似ているから話が合う。話せばすぐに通じます。
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お二人はともに、自分で注射するようになったのは小学校高学年からとのことです。「中学生のときから、タイミングも自分で判断して注射するようになりました」とユウスケさん。
自分にとってプラスになる経験ができた
血友病は僕たちが生まれ持った「個性」
ユウスケさん: 現在治療は、定期補充療法に加え、状況に応じてさらに注射をしています。例えばスキーやスノボをするときなど、脚に負担がかかることをする前に注射します。
ユウジさん: 僕も、活動量が多い日には事前に注射するようにしています。
ユウスケさん: 僕の場合、注射は、歯みがきと同じような感覚で、生活のなかに組み込まれています。定期補充療法をしていれば、僕は、他の人とほとんど変わらない生活ができているので、血友病患者の若い人たちもやりたいことに挑戦してほしいです。
ユウジさん: 自分で投薬する力が身につけば、必要以上に恐れることはないと、僕も思います。
ユウスケさん: うん。でも、万が一痛みや違和感をおぼえたら、我慢せずにすぐ言うことは大事だよね。
ユウジさん: あとは、友達も大事です。ちょっとした悩みでも話せるような友達がいれば、話すだけでも気持ちが軽くなります。
ユウスケさん: 一人だったら、つらいよね。血友病だったからこそ、ユウジをはじめとした友達と出会えました。看護師になれたら、自分の体験談を話して経験を生かせることがあるだろうと思います。
ユウジさん: うん。血友病が、多くの出会いを導いてくれました。血友病は僕たちが生まれ持った「個性」なのだと思います。
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取材後記

お二人はお互いの魅力ついて、こう評されています。 「ユウジは“超”がつくくらいポジティブ」(ユウスケさんより)。「ユウスケは誰とでも話すことができる。コミュニケーション能力が高い」(ユウジさんより)。 お互いの良さを引き出し合い、補い合いながら、輝かしい未来へ向かって歩んでいく姿がうかがえたインタビューでした。有難うございました。
写真:橋本裕貴 文:小久保よしの
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