ご家族の方へ〜心のケア

お子さんが血友病であることを知り、病気について学んでいくのは苦しい道のりでもあります。
ご家族の皆さんが最初に抱くであろう気持ちや、直面する他の問題にうまく対処できるようにお子さんの気持ちの変化を理解しておきましょう。

恐れ

最初にお子さんが血友病であることを告げられた時には、ショックを受けたり、怖くなったりするかもしれません。
診断が信じられない場合に、こういった感情が湧きあがります。
中にはお子さんが普通の生活ができないのではないかと心配するご家族もいらっしゃいます。

怒り

怒りを感じるのはよくある反応です。
普通、怒りを感じるのはさまざまな理由からです。
何かおかしいと思いながら、お子さんがヨチヨチ歩きになるまで血友病と診断されなかったからかもしれません。
赤ちゃんは普通、めったに出血しませんが、そのために病気の兆候だとわからなかったからかもしれません。
色々なお医者さんにかかりイライラして混乱したり、きちんと対応されなかったと感じたりしているからかもしれません。
大切なお子さんがこんな目に遭い、単に運命に腹を立てているかもしれません。

不安

悲しみや不安に駆られることもあります。
たとえ少しの間でも、お子さんのそばを離れたくないと感じているかもしれません。
しかしながら、ご家族自身のために時間を取ることはとても大事なことです。お子さんが普通の生活を送ることができないのではないか、病気のせいでお子さんが変わってしまうのではないかと恐れているかもしれません。
友達ができなかったりスポーツクラブに入れなかったりするのではないかと心配かもしれませんが、心構えや生活のしかたによって、たいていのことは他の子どもと同じようにできます。
将来に希望を持ち、一つのことばかりに心をとらわれるのはやめましょう。

罪の意識

お子さんに血友病を“与えて”しまったと考えたりしないでください。
お母さんが血友病遺伝子の「保因者」であるという理由だけで、病気を引き起こしたのは自分だと思ったりしないでください。
また、お子さんが血友病になる可能性があるのに子どもを持つべきではなかったと、ご家族で悩んだりしないでください。
お子さんが血友病になったのは誰のせいでも、誰かを罰するためでもありません。

不信

あまりにも辛いので、お子さんが血友病だということを信じたり認めたりしたくないかもしれません。こうした対処の方法を否認といいます。
お子さんが少し出血したからといって、どこかが悪いと信じるのは最初は難しいでしょう。
医師が間違っていると思いたい気持ちはわかりますが、血友病を否定し続けるのは、お子さんが成長するに従ってさらに多くの問題を生んでしまいます。
ご家族が血友病を否定していることをお子さんは敏感に察し、自分の存在が否定されていると思ってしまいます。
これはお子さんが自分自身をどう見るかということに、悪い影響を及ぼしてしまいます。血友病は誰のせいでもないのです。

お子さんから心をそむける

自分の中に閉じこもること、つまりお子さんから心をそむけたくなることも、ご家族が経験するかもしれない反応です。
これは、お子さんが将来自分の能力を十分に発揮できないのではないかと、がっかりしてしまうせいかもしれません。
このように考えてしまうのはご家族が血友病治療について十分な情報を持っていないからだと思います。
お子さんの血友病のことでご家族自身ができることをすべて学ぶようにしましょう。
どんな質問でも気後れせず主治医にお聞きください。

行き詰まった時は…

否定的な感情が過ぎ去ったと思ったのにまた戻ってきて、怒りを覚えたり苦しい思いを最初からもう一度繰り返したりすることがあります。
将来が心配になるかもしれませんが、ほとんどの人がお子さんが血友病であることを受け入れています。
またほとんどの人がある時点で問題に立ち向かい、人生を精一杯生きようと決心するのです。
血友病友の会などで他のご家族と交流するのは、難しい感情に立ち向かっている時は特に助けになります。病院の主治医や看護師にお住まいの地域に友の会がないかどうか聞いてみましょう。

このような気持ちの変化は、血友病に限らず多くの病気で経験される
一般的な変化と思ってください。

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参考:
お子さんが血友病と診断されたご家族のために(小林正夫)(バクスター)