患者さんと
ご家族へのインタビュー
〜血友病と生きる
私たちのいろんな気持ち〜

血友病インヒビターにより日常生活が厳しく制限され辛い時期もあったけれど、今は昨日より今日、今日より明日が楽しいー丹野 福士 さん(大学生)(4/4)

患者会の理事として、
雰囲気の良い運営を心掛け、組織力を高めて、
血友病患者の笑顔を守ることに貢献したい

最近は、私のように、日常生活が厳しく制限される血友病患者さんはほとんどいません。整形外科の先生からは、「もう、血友病の患者さんに対して僕らが出る幕はなくなったかな……」という声を聞くほどで、患者会に来る子どもを見ていても、定期補充療法をしっかり行っていれば、普通の子どもと変わらない生活を送っています。

でも、もし子どもの頃の私と同じような辛い思いをされている血友病の方がいれば、「今は日常生活が厳しく制限されて辛い思いをしているかもしれないけれど、そこを乗り切れば、将来は普通の人と変わらない生活を送れる可能性が高いので、頑張ってほしい」と伝えたいです。

私がそうであるように、過去の辛い経験も「結果的には良かった」と思える日が必ず来るからです。もし私が小学校の頃に、動けるからといって自由にしていたら、もっと頻繁に出血を繰り返し、今は本当に動けなくなっていたかもしれませんから……。

また、子どもが血友病だと伝えられた親御さんは、「出血したらどうしよう」と、不安でオロオロすることが多いと思います。でも、現在は治療法が進んで、血友病そのものが致命的な病気ではなくなっており、多くの患者さんが普通の生活を送れる時代になっています。だから、親御さんには「必要以上に心配せず、なるべく患者会に参加し、血友病患者の先輩方や医師の方からアドバイスをもらって、積極的に情報交換をしてほしい」と思います。

今、私は親の跡を受け継いで患者会の理事をしており、患者さんの笑顔を守ることに貢献したいと考えています。広島の患者会は明るい人が多く、とても雰囲気の良い会です。クリスマス会やサマーキャンプをしたり、子どもと遊んだり、時には自己注射のやり方を見せたりしながら、この雰囲気の良い患者会をさらに盛り上げていく予定です。今後は、これまでの先輩方が築き上げてきてくれた国からの支援策などを当たり前に思わず、いざというときに国にしっかりと要望の声を挙げられるように、患者会の組織力を高めていきたいと思っています。