
定期補充療法を受ける中で 自分の病気を自然と理解

生まれてすぐに血友病と診断され、その頃から凝固因子の定期補充療法を受けていました。家庭療法を始めた小学校入学前後ぐらいまでは、病院に頻繁に通って定期補充療法を受けていたようですが、当時の記憶はありません。そうした病院通いもあってか、家庭療法が始まった頃には、「自分には、何やら事情のある病気があるみたい」と感じていたことを覚えています。
小学校高学年になり、自己注射を学ぶために患者会のサマーキャンプに参加した頃には、血友病という病名や、どのような病気で、原因や治療法がどのようなものかを分かっていました。でも、最初にそれらを分かった時期は定かでありません。
当時、かかっていた病院が、小さな子どもにもインフォームド・コンセントをきちんと行うことをモットーにしていたので、おそらく、定期的に通院する中で、病院の先生たちが親と協力し、私を上手に“洗脳”(笑)して、病気のことを自然に受けとめられるようにしてくれたのだと思います。
万一の時に助けてもらえるよう 周りの人に病気のことを伝える
周りの友人に病気のことを話し始めたのは、高校に入ってからです。中学までは、学校の担任と、保健室や部活の顧問の先生にしか伝えていませんでした。今にして思えば、中学生であれば病気のことを理解できるので、仲の良い友人には話しておけばよかったと思っています。
子どもの頃ほど活動量は多いので、いつ何時、転倒して頭を打って、深刻なダメージになりかねない頭蓋内出血を起こすかもしれません。担任といってもいつもそばにいるわけではないので、私が病気であることを知っている友人がいれば、病気のことをよく分かっていなくても、万一の時の対応は違ってくると思います。また、周りの友人が病気のことを知っていれば、自己注射もタイミング良く行いやすくなります。例えば、体育の授業などで運動する場合の予備的補充療法は、最も効果が得られる直前にできていたことでしょう。
- 患者さんとご家族へのインタビュー
- 息子・中川勇氣さん(会社員)と母・中川美樹さん(主婦)
手術や登校拒否の経験を乗り越え、
充実した日々を送っています。 - 田中三穂さん(主婦)
私が「血友病の息子の母親」
という事実を受け入れるまで。 - 村村陽さん(看護師)
仕事もプライベートも、
思いきり楽しんで生きる - 江端隆寿さん(歯科医)
チャレンジするのは自由
やらないより、やってみてから学べばいい - 武山ユウジさんと寺本ユウスケさん(大学生)
大切な友達との出会い
ともに看護師を目指そうと決めた - 鈴木幸一さん
(デジタルコンテンツクリエイター)
大事なのは自分を信じ好きに生きていくこと - 梅原昌宏さん(薬剤師)
MBAを取得して、
いろいろなコトにチャレンジ - 野崎暢仁さん(臨床工学技士)
医療現場での仕事はハード、
でも普通のことはしたくなかった