ライフステージ別
日常生活における
留意点やポイント
血友病患者さんの日常生活
における留意点やポイント
~乳幼児・小児期編
血友病の診断時・治療開始時の
不安の軽減に向けて
どのような方でも
血友病診断時の不安は大きく、
悩んでいるご家族も少なくありません。
不安を軽減するために
以下の内容を参考にしてください。
診断時
血友病は生涯付き合っていく病気ですが治療は進歩していますので、命にかかわるような出血リスクは低くなっています
出血してもすぐ止血できるようにすれば、必要以上に不安を感じることはありません
患者会での交流会なども不安の軽減の一助になることもあります
実際に患者会で元気に走り回っている子がいて、「あぁ、こんなにも元気に成長するのだな…」と
お母さんたちが笑いながら話をしているのを見て安心したというお話もあるようです
治療開始時
投与計画など、今後の治療の流れが分かるものを医師と一緒に作成しましょう
治療を始めた人の体験談は参考になり、不安の軽減につながることもあります
乳幼児期・小児期における
家庭内事故を防ぐための
留意点
出血に繋がる
お子さんの家庭内での行動を想定し、
家具を緩衝材でカバーするなど
家庭内環境を整備することが大切です。
具体的な対策として、
以下の内容を参考にしてください。
床をカーペットで、家具を緩衝材でカバーしましょう
おもちゃは床に放置せずに片づけましょう
固いアクセサリーは避けましょう
![緩衝材のイメージ図](/images/lifestage/childhood/img-reference01.png)
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公園など外で遊ぶ時の留意点
お子さんが外で遊ぶ際、
出血に繋がる行動を想定し、
その対策を講じることが重要です。
具体的な対策として、
以下の内容を参考にしてください。
靴は足にあったものを履かせましょう(転倒や皮下出血の防止)
かかと部分にクッションの入った靴を履かせるようにしましょう
足関節を保護できるハイカットの靴を選ぶとよいでしょう
ジャングルジムや滑り台など遊具を使って遊ぶ際は、大人がそばにいるようにしましょう
怪我や転倒の際にはすぐ親に知らせるようお子さんに伝えておきましょう。
実際、親に知らせるよう繰り返し伝えることで、ぶつかったり転んだりした時に、必ずお母さんに知らせてくれるようになったというお話もあるようです過度に行動制限することは避けましょう
(筋肉や運動神経を発達させることも、長期的には出血を防ぐ大切な工夫です)
![ハイカットの靴のイメージ図](/images/lifestage/childhood/img-reference02.png)
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家庭内で保護者の方が
輸注を始める時の
留意点やポイント
家庭内で保護者の方が輸注を始める際に
知っておくべきことやメリットについて、
以下の内容を参考にしてみてください※。
使用方法等の教育を十分に受けた後、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で医師の管理指導のもと実施するようにしてください。
また、患者さんまたはそのご家族に対し、本剤の輸注により発現する可能性のある副作用等についても十分説明を受け、
在宅自己注射後何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には、速やかに医療機関へ連絡するようにしてください
![家族のイメージ図](/images/lifestage/childhood/img-reference03.png)
知っておきたいこと
家庭内で保護者の方が輸注を始めるタイミングは人それぞれです。医師とよく相談しましょう
自宅での輸注は、病院で輸注していない部位にしましょう
メリット
輸注が必要な時にすぐできます
家庭での輸注ができると、気持ちにゆとりが出来て、行動範囲も広がる患者さんもいるようです
アドバイス
輸注を我慢できたらお子さんを褒めてあげましょう
不安を感じて泣いてしまうお子さんは少なくありません
- 輸注をすれば痛みがなくなることが分かってくると、お子さんから腕を差し出してくることもあります
定期補充療法と
輸注記録の勧め
定期補充療法を行うと
日常生活が充実するなどの
良い点があります。
また、輸注記録をつけることで
現状を把握でき、
医師とのコミュニケーションに役立ちます。
定期補充療法と輸注記録の実施を
医師と検討してみてはいかがでしょうか※。
定期補充療法の適応や注意点については医療関係者にご相談ください
定期補充療法のメリット
思いがけず怪我をしても余裕を持って対応することができます
関節内出血の回数が減ることで、関節が守られる可能性があります
出血時にその都度、輸注をするよりも、決められた時間に定期的に輸注をするほうが、余裕をもって輸注の準備ができます
自分で行動をコントロールできないお子さんにとって、日常生活での出血予防効果が期待できます
実際、定期補充療法を始めたお子さんが、止血をコントロールできるようになり、生活が変わったというお話もあるようです
輸注記録の勧め
記録をつけることで現状を把握できます
将来の関節症などを予防するためにも現状の輸注状況を把握することが重要です記録を医師と共有することで、治療方針を医師と相談できます
簡単に記録できるアプリなどもあります
最も重要な点は、記録を習慣づけることです
記録を行えば、「肘が腫れた時に何単位の注射をすれば効果が得られる」、「この仕事をする前には予備的に何単位の注射をしておくと症状が出ない」などが分かるようになります
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やりたいことや
将来の夢に向けて
血友病であっても
将来の夢や日常生活における
やりたいことを諦める必要はありません。
以下の内容を参考に、
医師と相談してみてください。
患者さんご本人がどのような夢を持っているのか、医師に相談するのもよいでしょう
やりたいことを実現するためには、医師とよく話し合い、カウンセラーや看護師の方にも聞いてもらうとよいでしょう
激しいスポーツをしている場合、補充療法において薬剤の効いている時間帯や効果が弱まってくる時間帯について、医師に相談し、安全にスポーツを行えるような投与パターンなども確認するとよいでしょう
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ライフステージ別
日常生活における
留意点やポイント
![](/images/lifestage/common/img-gradationbar.png)