知っておきましょう!
新型コロナウイルス感染症
(COVID-19)と
血友病について

監修:天野 景裕 先生
(東京医科大学 医学部医学科 臨床検査医学分野 教授)

凝固因子補充療法で
治療されている
血友病患者さんへ

新型コロナウイルス感染症が、ご自身またはご家族の血友病治療に影響があるのではないかと心配されているのではないでしょうか。
少しでも心配事が軽減され、血友病治療に専念していただけるよう、新型コロナウイルス感染症 についてまとめてみました。
知っておきましょう!新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と血友病について(PDF版)

新型コロナウイルスと血友病治療
(凝固因子補充療法)

2020年6月現在、新型コロナウイルス感染症が、凝固因子補充療法による血友病の治療に影響を与えるという報告はありません。
現時点で何よりも大切なことは、ご自身の判断で凝固因子補充療法による治療の中止や、投薬回数・投薬量の変更などをせずに、これまで通りの治療を継続することです。
そのために必要なご自身の治療薬は、決して切らさないようにしましょう。
もしも治療にあたって心配なことがあれば、主治医に相談しましょう。

新型コロナウイルスと血友病治療

血友病患者さんが注意すること

2020年6月現在、血友病患者さんが新型コロナウイルス感染症にかかりやすくなるという報告はありません。
何よりも手をこまめに清潔にし、「3密(密閉・密集・密接)」を避け、ソーシャルディスタンスを確保することが重要です。
また、生活習慣病などの併存疾患がある場合には、その疾患をしっかりと管理することも大切です。
加えて、もしも新型コロナウイルス感染症にかかった場合でも、搬送先の治療施設において適切な血友病治療を受けられるように、ご自身やご家族が血友病について説明できる準備をしておく必要があります。
そのために、ご自身の血友病の病状について、今一度主治医に確認しておきましょう。

血友病患者さんが注意すること

新型コロナウイルス感染症が
疑われる場合の対処

もし、次のような症状があった場合は、新型コロナウイルス感染症の疑いがありますので、「帰国者・接触者相談センター」や主治医に電話で相談してください。

  • 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれか がある場合
  • 高齢者、基礎疾患がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤など で治療を受けている方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
  • 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
新型コロナウイルス感染症が疑われる場合の対処

家庭での過ごし方について

家庭での過ごし方について

新型コロナウイルス感染症の影響で、自宅で過ごす時間が増えているかと思います。
ここで血友病治療の基本に戻って、手洗いや輸注記録について見直しをしてみましょう。
そして、適度に体を動かして、体力維持に努めましょう。

手洗い

外出からの帰宅後、そして輸注前には 入念に手洗いを行いましょう。 慣れてしまうと、つい手を抜いてしまいがちになります。
イラストのように今一度、手洗いのおさらいをしましょう。

手洗い

手洗いの前に
・爪は短く切っておきましょう
・時計や指輪は外しておきましょう

輸注記録

輸注記録はきちんとつけていますか?
出血の状況、関節の状態、注射のタイミングや製剤の投与量の確認をしてみましょう。
また、最近は様々な輸注記録のアプリも出ていますので、これらも上手く活用していきましょう。

輸注記録

運動

自宅で過ごす際、なるべくこまめに体を動かしましょう。気軽にできるストレッチから、筋力トレーニングやラジオ体操など、ウェブ動画を利用してみるのもいいでしょう。

運動