患者さんと
ご家族へのインタビュー
〜血友病と生きる
私たちのいろんな気持ち〜

病気を隠していた時もあったが、治療法は大きく進歩。「血友病だから」と諦めずにチャレンジできる“今”に感謝。ーAさん 九州在住(会社員)(3/3)

血友病の子やその親に 自己管理の重要性を伝えていきたい

血友病であることで、これまでさまざまな経験をしてきました。患者会では、その経験を踏まえ、血友病のお子さんやその親御さんたちに、「“血友病だからできない”という発想で生きていると、どんどん後ろ向きになってしまう。今は治療法が進歩していて、自分の病気を理解し、自分できちんと管理できるようになれば、普通に暮らせて、いろいろな経験を積むことができるようになっている。だから、やりたいことがあって、できるのであれば、やってみる――そうすることで自信がついてくる」ことを伝えています。

患者会では、病気の知識を身に付けてもらったり、自己注射の技術をマスターしてもらったり、あるいは同じ病気を持つお子さんや親御さんが交流したりするために、2カ月に1回、学習会(年2〜3回)やサマーキャンプ、クリスマス会などのプログラムを実施しています。

参加する多くの子どもたちは、中学生ぐらいになった頃から、それぞれのペースをつかみはじめ、定期補充療法によって、他の友達と同じように部活や勉学に忙しい日々を過ごすようになっています。治療法が進歩し、自己管理さえすれば、血友病だからといって何かを我慢しなければならない時代ではなくなりつつあるのです。

それゆえに、全国のどこの患者会でも、自己管理ができて、差し迫った問題もなく、そして仕事や趣味に忙しくなる20〜30代ぐらいの患者さんから徐々に抜けていなくなるという状況がみられます。主なメンバーは、赤ちゃんから小学校高学年までのお子さんとその親御さんです。

やはり、患者会は幅広い年齢層の患者さんで構成されていた方がいいと思います。例えば、全国の患者会が集まる場では、中高年世代の参加も多くなり、「この頃、老眼で手元が見えにくくなって、自己注射を失敗するようになった」といった高齢化の問題が聞かれます。

今後は、自分が学んできたことを子どもたちに伝えていくことはもちろん、自分がこれから歩んでいく道をより良い環境にするために、一人でも多くの患者さんに患者会に参加していただくように働き掛け、一緒に活動していきたいと思っています。