(国内)血友病医療施設(病院)

新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院

施設概要  新潟県魚沼地区は、上越新幹線の駅名で言うと丁度越後湯沢と長岡の間に位置する山間盆地地域で、医師数は県内でもとくに少なく、 従来広域基幹病院も存在しなかった地域です。今まではお隣の長岡地区を主に、新潟さらに東京へと患者は遠隔受診しなければならない事が多々ありました。 今回魚沼地区の医療再編成に伴い、新潟大学の地域医療教育センターの機能を有し、地域完結型の高度医療と救命救急医療を提供しようというコンセプトで生まれた魚沼基幹病院が2015年6月に開院しました。血液内科に関しましても、専門的な血液診療が皆無であった地区でゼロからの立ち上げを行いました。開院時、「マルクって何ですか?」のスタッフたちでスタートしましたが、今やすでにあらゆる化学療法はもとより各種分子標的療法や自家造血幹細胞移植までこなしています。 如何にプロフェッショナルな血液内科を構築し、展開してゆくかが現在の私の仕事です。 大局的な観点から真に患者・地域のためになるように血液診療を通じて微力ながら尽力して行きたいと思っております。「医療の谷間に最先端の温かい灯をともす」をモットーに日々診療および研究をしています。

ここ数年の血栓止血領域での研究項目 1.造血器腫瘍治療の各種多施設共同研究。
2.急性白血病に伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)の発症に免疫機序が関与しているのか否かを知る研究。
3.科学的根拠に基づいたDIC診療ガイドラインの改定。
4.造血器悪性腫瘍を基礎疾患に持つDICでのリコモジュリンによる治療成績におよぼす多面的予後因子の解析研究。
5.骨髄増殖性疾患におけるvon Willebrand因子のマルチマーを含めた動態解析。
6.後天性血友病Aにおける臨床病態、医療連携の研究、など。

当科の血友病診療への取り組み 新潟県では新潟大学医歯学総合病院と魚沼基幹病院が日本血栓止血学会の血友病診療連携中核病院となっています。いずれの病院でも私は成人の血友病の診療をさせて頂いています。これまで製剤を処方されるのみで、出血評価、適切な補充療法、生活指導などを受けてこられなかった患者さんを複数診療しました。まずは自院での血友病の診療レベルを向上させることを目指していましたが、次第に県内の医療機関同士のレベルアップの必要性も痛感し、そのレベルアップに寄与する活動にも携わり現在に至っています。整形外科・歯科・リハビリテーション科・救急科などと連携しながら、患者さんファーストの診療を目指しています。職種に関しては、医師のほか、看護師・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士・MSWがチームとなり、決して都市部のブロック拠点病院ほど症例数は多くありませんが、1症例1症例を大事にして丁寧に診療・評価していくことで良い経験を積んでいると思っております。

ブロック拠点病院との医療連携 新潟県は関東甲信越ブロックに属し、上越新幹線で比較的上京しやすいため、東京の荻窪病院や東京医大との連携があり必要時に大変お世話になっています。

患者会について 数年前、一時活動が中止されていた患者会の復活のお手伝いをする機会に恵まれました。その後まもなくコロナ禍となり活動も軌道に乗らなくなりました。患者さんと私ども医療者は、ここ数十年で大きく変化した日本人の集団活動に関する多様な価値観に対応しつつ、しばらく続くであろうコロナ禍の状況での情報共有を模索していかなければなりません。

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問い合わせ先
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新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院
血液内科 関 義信
〒949-7302
新潟県南魚沼市浦佐4132番地
TEL: 025-777-3200(代表)

新潟大学医歯学総合病院
血液内科 関 義信
〒951-8520
新潟市中央区旭町通一番町754番地
TEL: 025-223-6161(代表)

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