冊子「Friends」
【体験談】血友病のいろんな「職場・仕事」
〜こんなお仕事も
こんなお仕事も
外国政府機関勤務
フリーで翻訳をした後、縁があって現職。病気のことはある程度分かってもらっていて働きやすい、海外出張も多く、分かっていれば体調を整えるなど不自由はないが、急に言われることもあって、体調が悪い時は困る。
プロモーター
外出することが多く、どうしても足首などの出血は多い。いきおい休日はほとんど家にいて休息することに。股関節と膝の人工関節手術をしたら、相当楽に歩けるようになった。結果的に歩いてしまうので、足首の出血は変わらないが…。
映画カメラマン
カメラ操作は結構、重労働ですが、それほど出血はありません。仕事によっては待ち時間がかなり長いのに閉口します。修行がてら海外で仕事をしていた時は、職業組合の保険に入ってやっていました。特に問題はありませんでした。
葬儀屋勤務
市役所職員になりたかったが、募集がほとんどなかった。今の仕事は週一回程度の予防で何とかやれている。出血よりも「笑えない」のが辛いから、他の仕事も探してみたい。
ギタリスト
ある時にステージで派手なギターパフォーマンスをしたら、足首をひどく捻ってしまった。なかなか直らなくて、入院中に再出血をしたり、CDの営業ができなかったりして、すごく苦労した。結局、自信持ってステージに上がれるまで一年半以上かかった。もっとも今でも控えめにはしていますが・・・。
塾経営
50分間は立っているけど、休みは必ず入るし、出血もないし、力仕事もない。いろんな仕事に就きましたが、こういう仕事がいいですね。コンピュータが故障して、一年間分の自作教材のデータがとんだ時が一番まいった。
農協職員
職場には何も言っていない。最近は土曜日出勤も多いので、有給使って定期通院するときだけが、ちょっと気を遣う。仕事は事務中心なので出血の点では問題がない。
軽作業
紙袋への袋詰め作業などでは、紙で指を切ってしまうことが多い。怪我が小さくてもなかなか血が止まらないので、製品に付かないようにとても気を遣う。仕事のところには薬をおいていないので、ひどいときは家に帰って注射する。
警備員
不規則な業務だけれど、大きな出血もない。朝など入り口で長く立っていたりする時間が辛いこともある。別に職場に言わなくても平気だ。
- 健康保険の仕組み
みなさんはどんな健康保険に加入していますか?
一般的に「健康保険」と呼ばれていますが、正しくは「医療保険」といいます。
医療保険には、会社勤めの方やその家族を対象とした被用者保険と、それ以外の方を対象とした国民健康保険があります。それらは、運営主体によって、下図のようにさらに細かく分けられています。


- 健康保険についてのよくある質問
Q.保険を使ったら、病名が職場にわかってしまいますか?
A1.加入している保険によって違います。医療費はレセプトと呼ばれる診療報酬明細書によって、それぞれの健康保険に請求されます。その明細書には病名が記載されますので、それが届く先には病名がわかることになります。
ゆえに、加入している保険が国や市町村が運営しているものであれば、病名が職場にわかることはありませんが、組合管掌(運営)の健康保険や一部の共済保険は、それ自体が企業等の一組織なので、広い意味では「職場にわかる」ことになります。
ただし、あくまで「健康保険組合」にわかるのであって、あなたの部署や直属の上司に通知されるわけではありません。最近ではプライバシーに十分な配慮をしているところが多いので、ほとんど心配はいらないでしょう。
Q.医療費助成があったら、健康保険はいらないの?
A1.必要です。
医療費助成制度は保険診療医療費の自己負担部分をカバーするものですので、健康保険があることが前提になります。
- Friends「仕事に行こう」編(小島賢一)