冊子「Friends」
【血友病体験談】みんなどうした?学校生活〜体育・スポーツ

体育、スポーツ

小中学校で騎馬戦などに参加できなかった反動で、出血が減った高校のときは目一杯運動してしまいました。足首が今、悪いのはそのせいかもしれませんが、それはそれで良かったと思っています。(20代本人)

人にぶつかって怪我したり、ボールを蹴って足を痛めたりすると思ったので、サッカーの時は、キーパーをしていたんだけど、突き指や手のひらの出血はやっぱりあった。(10代本人)

プールに入るときに一人だけ違う色の帽子をかぶれと言われた。でなければ、見学しろとか言われた。意味がわかんなかった。それで担任と大喧嘩して改善を申し入れ、最終的には学校が折れたが、こっちもちょっと頭に来てて、その年のプール授業は一回も参加しなかった。(20代本人)

俺が大丈夫だって言っても見学させられて、頭にきたことが多かった。だって放課後とか、昼休みとか、もっと激しく動いたりしてんのに、全然、平気。少しぐらい痛くたって皆と同じにやりたかったんだよ。(20代本人)

中学で柔道とかあって、型の練習だけとか病院で言われてましたが、体育の先生が「どうする?」とか訊いたので、思わず「やります」って返事して、乱取りもしてた。その間は何度か親には言わないで、そっと注射していた。ばれてたと思うけど。(20代本人)

体育の見学はあまりしなかったが、先生は僕が休みたいと言うと、それを信じて休ませてくれた。それがとても助かった。えっ?ずる休みはしませんでしたよ、だってみんなと同じに体育やれるのは嬉しかったですから・・・(30代本人)

スタッフから一言!
おすすめのスポーツ

人にもよりますが、小学校では縄跳びやマラソン、中学では柔道や剣道などは出血しやすい種目です。水泳は関節への負担が少なく、お勧めスポーツです。
なお、柔道では受身の練習、剣道では型の練習程度であれば問題はありませんが、それ以上の訓練は、お子さんそれぞれの状態によって判断する必要があるでしょう。

Column3
おすすめのスポーツ

一美(年長): 水泳は血友病の子にいいって聞いたんですが、それ以外のスポーツはどうなのでしょう。やらせたら、まずいのってありますか?息子は水泳が嫌いみたいで、サッカーとかバスケットがしたいと言ってて・・・。

佳夏(小5): うちはバスケしているけど、何にもない。まだ下手っぴだから平気なんでしょう。

春香(小6、小3): うちはサッカー。確かに出血が一時増えたけど、週3回の定期輸注で何とか乗り切っている。出血にアイシングもいいわよ。うちの場合は、小さい保冷剤を弾性包帯で巻いて、冷え過ぎないように注意して一晩おいたりした。

千秋(中3): 息子も週3回で定期輸注して野球しましたが、小3の時に出血を繰り返して一時、止めさせました。完全に膝を落ち着かせて、筋力トレーニグも教えていただき、小5からは復帰しています。今でも元気にやっています。だから、同じお子様でも発達や出血の具合で違うと思います。

タツオ(本人20 代): 俺は水泳部だったから問題なかったけど。平泳ぎなんかは股関節や足首に負担かかるよ。出血しないって考えたら大間違え。

冬子(中2、小5): 運動会で血友病(患者の足首)にはよくない「縄跳び」。それも縄跳びダンスをやるって聞いて、無理だって先生に言おうって思った。けど息子が頑張るって言うから、注射うちながらやり通した。わが子ながら結構、格好よかった。

佳夏: 幼稚園の頃、平気で縄跳びしてたけどどっか悪くなっているのかしら?

ヒロミ(本人20代): 僕の場合も幼稚園の縄跳びは平気だったし、年少の体操は平気だったけど、小学校でドンドン跳ぶようになると出血した。ある程度、練習を積んでうまくなってからは出血がなくなった気がする。

睦美(高2): 確かに冬場の縄跳びは駄目でした。マラソンもその時期に重なって、その時は止めさせるのも、出血を防ぐのもできなかった。子どもたちが皆、「縄跳び」ハンコ集めに夢中になっていて、一人だけ止めさせられなかったの。

冬子: 制限した方がいいか、輸注して乗り切れるかの判断は難しいですよね。先生と相談しても迷うことが多かった。

千秋: 小学校3年生頃までは太っておりましたので、“早く言わない、血管見えない、じっとしてない”の三重苦でした。おそらく安静も注射も足りなかったと思われます。野球ができない、痛みや腫れが苦痛になって、ようやく息子も考えるようになりました。お子様とも相談されるとよいと思います。言って聞くようなお子様なら、まず安静にされて、腫れや痛みが引かないようなら打ってはいかがでしょう。

ヒロミ: 体育や部活よりも友人同士の喧嘩に巻き込まれたり、血の気の多い先生に目をつけられたり、休み時間のふざけあいの方がホントは出血の原因になると思う。変ににからんでくる奴もいるし…僕も引くに引けない気持ちになって喧嘩したことも何度となくありました。勝っても加害者として怒られ,後で自分の出血でもひどい目にあって散々でした。でもそうやって中学生ぐらいになったら自分で何とかする「コツ」を学ぶことも大事。自分で守らなきゃ。

佳夏: そう言えば自転車はどうしています。スピードでるので止めた方がいいと言われて未だに乗れないんです。

ヒロミ: 自転車って筋力強化にはいいはずです。

律男: ペダルを踏む、足首やひざの関節の可動域があれば、走るよりは関節にかかる負担が少なくて良いと私も聞きましたよ。

佳夏: 練習はどうされたんですか?

ヒロミ: 休みの日に父が教えてくれました。すぐに憶えましたよ。

律男: 一人だけ乗れなくて友だちの中で走っているのを見て、私がかわいそうになって教えました。鈍くて何度もころんで打ち身はつくり、製剤も打ちました。乗れるようになったら、なったで、急に行動範囲が拡がって、遠くでの怪我・事故を家内が心配するので、病院でもらった連絡先の書いてある血友病カードは必ず持たせるようにしました。

睦美: 困ったのは自転車のもらい物。すぐに大きくなるからといってサイズの大きな物をもらったんたんだけど、足がつかなくて危なかった。でも、くれた人も近所なので捨てるわけにもいかないし、困りました。

佳夏: どうしたの?

睦美: 背が伸びて乗れるようになって解決。

参考:
  • Friends「学校に行こう」編(小島賢一)