冊子「Friends」
【血友病体験談】幼稚園に行こう〜注射
注射嫌い!
朝、遊びたいから少しぐらい痛くても我慢して幼稚園に行って、夜にどうしても我慢できなくなって言ったら、「今頃、言うなんて」って、よく叱られた。少し痛みを感じたところで言うようにしていたら、今度は我慢が足りないって叱られた。子ども心に「どうしたらいいんだぁ」と思っていたのを憶えています。(20代本人)
最近、注射がスランプで子どもが嫌がりはじめました。お医者さんにはさせても、私にはさせてくれません。看護師さんから「皆、一度は経験しているから、焦らなくてもいいのよ」って言われて、とても救われた気持ちです。(母)
本来、子どもを痛みや苦しみから守るべき母親が、治療とはいえ、注射するなんて、親子関係がおかしくなるのではないかと本当に心配していました。でも、おかげさまで元気に育ち、母子関係がへんになることもありませんでした・・・。これからかな?(母)
サマーキャンプで小学生のちょっと太った子が、血管なんか見えそうにない腕に自分で注射していました。びっくり。針なんてほとんど垂直に刺さっているような感じで・・・。何かそれを見たら、大人の私も頑張らなくてはと思い、今では何とか家庭治療ができるようになりました。あの子には感謝しています。(母)
- 注射してほしいと言われたら
子どもは基本的に注射が嫌い。よく親に甘えて注射して欲しい、痛いと訴えているのではないかと相談も受けますが、ほとんど嘘はないと考えて、注射をしてあげて(もらって)ください。本当に痛い時にうってもらえないのはとても辛いですし、万一、甘えたくて訴えたとしても、注射の痛さや面倒さが分かれば、自然消滅します。
- 自信を持って注射して
子どもをいじめようと思って注射する親はいないのだから、自信を持って欲しい。僕も注射は嫌だったが、それで感謝しこそすれ、母親を嫌ったり、恨んだりするようなことは絶対になかったし、皆もそうだと思う。少し大きくなれば、注射の痛みの方が、出血の痛みより楽だと分かってくる。そうなれば嫌だけど、我慢することがもっとできるようになります。(20代本人)
- Friends「幼稚園に行こう」編(小島賢一)