冊子「Friends」
【血友病体験談】幼稚園に行こう〜遠足や運動会

遠足、お泊り、運動会にプール

「お泊り保育は希望するのですか」と暗に辞退を勧められた。希望すると返事をしたら、一時は職員会で不安の声が上がる騒ぎになった。しかし、主治医に説明してもらうと態度一転、「いいですよ」。親の説明は信用してもらえなかったのかな?(母)

家で注射できるようになってからは、遠足や運動会には注射してから行ったので、何の問題もなかった。早起きが辛くて、注射が面倒だったけど。(20代本人)

運動会本番では意外に出血はなくて、練習の時の方が多かった気がする。毎日のように練習があっても、そのたびに注射してから行くわけにもいかないし、その時が困った。(30代本人)

先輩ママから一言!
ちょっとした工夫<アザ対策>

息子は腕にはアザを作らなかったが、足、特にスネがひどかった。夏場は上半身はタンクトップだけど、下は長スボンといったカッコ。でも普通の長ズボンはあまりに暑いんで、くるぶしのちょっと上ぐらいまで見える程度の大きめのブカブカのハーフバンツを買って、裾を調整した。格好は悪いが、適当な防具の役も果たしてくれたので、けっこう便利だった。
息子は遊んでいて転んでしまうので、膝をかばう目的でサポータをしても小さい頃は自分で取ってしまう。私は膝パッドをズボンに縫い付けました。手芸屋さんでキルティングみたいな綿の入ったような生地を買って、ズボンの内側に縫い付け、ワッペンなんかも外側に縫い付けた。これなら取れません。暑い時期はたいへんそうだけど、長ズボンで乗り切りました。

Column2
出血を防ぐ工夫、あれこれ

転倒や皮下出血を避け、足首や膝の負担を軽減するために、靴は足にあったものを履かせてください。
また人にもよりますが、踵部分にクッション材が多く衝撃を吸収してくれる靴、足首を覆うハイカットの靴も良いようです。服は硬い飾りのついた物はさけてください。家の床もウレタンなどのクッション床材を組み合わせて、フローリングの上に敷いておくことでも効果があります。小さいうちは、テーブルなどの家具の角を、梱包材(よくプチプチとか言われていますよね)で保護したり、小さいおもちゃ(ミニカーや金属製の人形など)を床に落ちたままにしておかない配慮(その上に転んでお尻に出血する子はとても多い)も必要です。ただし、これらのことをしても出血する時はあります。あまり神経質にならずに過度に行動制限することは避けてください。筋肉や運動神経を発達させておくことも、長期的には出血を防ぐ大切な工夫なのです。
では一旦出血した後に再出血を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?原則は輸注して安静を保つこと。たとえ止血しても、その部分の血管は補修が終わったばかりで、再出血しやすい状態にあります。しばらくはその部分を動かさないことが大切です。でも小さい子にそれを期待するのは無理。痛くなくなれば、すぐに走り出してしまうでしょう。体重も軽いので衝撃は少なく、あまり反復することはないですが、反復するようなら、運動具店で売っているサポータで軽く保護してみてください。駄目なら次に定期補充療法を主治医の先生と検討してください。これは出血エピソードの多少や同一部位の反復の様子をみて、量と間隔を決めて、週に1〜3回程度、定期的に輸注する方法です。あるいは、病院に相談して装具を作る方法もあります。装具は関節部などを外から支えて、保護すると同時に関節の可動を制限して、活動を多少おとなしくさせます。
最終的にはお子さん自身が、「自分はどのへんに限界があって、その範囲で普段の活動をし、何をして範囲を広げていくのか」を知ることがもっとも効果的な工夫といえます。それまで頑張りましょうね、皆さん。

参考:
  • Friends「幼稚園に行こう」編(小島賢一)