冊子「Friends」
【血友病体験談】幼稚園に行こう〜はじめに

はじめに

悩んでいるのは自分だけじゃない

荻窪病院 血液科 カウンセラー

小島 賢一

血友病児の保護者はお子様を、文字通り「見守り」、怪我がないか見て、転ばぬよう、ぶつけぬように守ってきました。そして初めて目が届かない所に送り出すのが、幼稚園や保育園です。他の親御さんにも増して不安でしょう。
昔に比べれば、確かにインターネットで何でも調べられるようになり、昔とは比較にならないほど情報入手は容易になりました。しかし血友病は男子1万人に一人の疾患、具合よく先輩母や経験ある医療スタッフがいることは珍しいですし、インターネット上の情報も様々なものが錯綜しています。

血友病のお子さんを育てたお母様方にお尋ねすると、幼稚園・保育園については心配するほどのことはなかったというのが、ほとんどの意見です。ただ、これから入園を迎えるお子さんがいらっしゃる親御さんには、そうは言われてもなかなか安心できるものではありません。

この冊子は、少しでもそうした親子の助けになればと思って作成しました。作成から7年たって、世の中も多少は変わりました。前版同様、ここには、様々な体験が語られています。良い情報ばかりではないかもしれませんが、いろいろな経験をして乗り越えている仲間がいます。この冊子が引き続き幼稚園・保育園の入園を迎えた皆さんを力づけることができれば、幸いです。

2011年12月

参考:
  • Friends「幼稚園に行こう」編(小島賢一)