第1回 患者会インタビュー
〜ヘモフィリア友の会 全国ネットワーク(4/4)

―――将来的にはどのような活動をされていく予定でしょうか。

佐野今後は、世界血友病連盟(World Federation of Hemophilia:WFH)との関係性の強化も視野にいれたいと考えています。日本もWFHに加盟していましたが、加盟されていた団体が残念なことについ最近解散されてしまったために、現在の日本は、WFHの加盟国ではないという状況です。2014年5月にメルボルンでWFHの世界大会が開催されましたが、それに参加してみて、初めてこの組織の役割の大きさを感じました。まさに国連ですね。希少疾患でも世界中に患者さんがいますから、こうした枠組みで治療水準の世界的な底上げが模索されているのです。

森戸まさに百聞は一見に如かず、ですね。あらためてWFHという組織の存在の大きさを感じることができました。

佐野患者さんの数や日本の医療水準を考えても、日本がWFHに加盟していないのはおかしいし、なんとかしないといけません。本会では、将来的にその役割を担っていけたらと考えています。

―――2年に1回開催の全国ヘモフィリアフォーラムは、次回は2015年5月16、17日に開催予定ですね。

佐野大阪での開催を予定しています。最近の治療薬の進歩は目覚ましく、例えば長時間作用型の凝固因子製剤や新しいインヒビター製剤が開発されており、血友病治療は変革の時期を迎えているといえます。また、これまで日本には血友病センターといわれる施設はほとんどありませんでしたが、日本型のセンターの設立も模索されています。そうしたさまざまな新しい動向を踏まえ、2015年開催の全国フォーラムの統一テーマを「新しいステージへ」としました。

基調講演のスピーカーとしてWFHの方も招きますし、例年どおり、テーマごとにに分かれてディスカッションする分科会も行います。

森戸これまでは分科会の開催は1日だけでしたが、せっかくの交流の機会なのに、討議が1日だけでは短いといった声もあり、2日間かけて話し合うプログラムにしました。大人の患者さんにおける諸問題、小さい患者さんをお持ちのご家族の問題、保因者の問題、類縁疾患の問題、インヒビターの問題など、幅広いテーマで討議を行う予定です。

佐野患者さん、そのご家族、医療者はもちろん、この病気に関係するいろいろな方の参加も歓迎します。血友病の患者さんが通う学校の先生とか、福祉職の方などにも参加していただけると嬉しいですね。遠方の患者さんには交通費の一部補助もします。

―――最後に、患者さんへのメッセージをお願いします。

佐野やっぱり1人だけで、あるいはご家族とだけで治療生活を続けていくのは非常に大変なことだと思います。患者さん同士、横のつながりを持って、できるだけ楽に、楽しく治療を続けられる環境を整えてもらいたいと思っています。患者会はそのための団体なので、ぜひ活用していただければと思います。

森戸患者会がない地域でも、患者さんの親御さんが集まって勉強会や情報交換をしているところもあります。ですから、あえて患者会という形式にこだわらなくてもよいでしょうね。困ったことがあったら誰かに相談できるつながりが大切です。そのためのお手伝いは私たちもいたしますので、どんなことでもご連絡いただければと考えています。