第1回 患者会インタビュー〜ヘモフィリア友の会 全国ネットワーク(3/4)

―――加盟している患者会の数は26ということですが、全国でどのくらいの患者さんが患者会に参加されているのでしょうか。

佐野正確には把握していませんが1,500人くらいは参加されていると思います。血友病の患者さんの数が約6,000人とすると、患者会に参加している患者さんはその約1/4ということになりますね。これは十分な数とはいえません。もちろん、「患者会には入らなくてもいい」、「治療はうまくいっているからいい」と考えている患者さんもいらっしゃるとは思いますが、やはり苦労されている方のほうが多いのではという気がします。
患者会のある地域も偏在しているので、すべての患者さんが参加しにくいという状況もあり、それをなんとかカバーしないといけません。

―――まだ参加していない患者さんへの働きかけはどのように行っているのでしょうか。

佐野病院を通じて紹介してもらうこともありますし、京都ヘモフィリア友の会の例でいえば、保健所にも案内を出すようにしています。保健所だと乳幼児健診がありますし、小児慢性特定疾患の窓口にもなっ ていますので、そこから紹介されてくる患者さんもいます。また、「ネットワーク医療と人権」という NPO法人がありますが、そこが血友病患者さん向けの相談会を行っているので、協力し合って患者さんを 誘うこともあります。あとはSNSや相談電話を活用して患者さんとコミュニケーションをとることもあります。

―――患者会に参加するメリットはどのようなものなのでしょうか。

佐野血友病は自己注射が必要な病気ですし、きちんと治療していないと関節障害なども起こってしまいます。個人でがんばるしかないのですが、ひとりで続けていくのは大変だし、間違った方法で続けることになってもいけません。医療者とのよい関係を築くことも大事ですが、患者さん同士の横のつながりをもつことが、生涯にわたる治療生活のなかで役立つし、励みになると思います。同じ病気の患者さんに会ったことがあるとないとでは、治療への取り組みも変わってくると思いますね。

森戸治療に関することだったら先生に相談できますが、生活をしていくうえで困ることに対してはなかなか解決策が見つからないこともあります。例えば、幼稚園の入学を断られたとか、運動はどのくらいしてもよいかとか、2人目の子供はどうすればよいかとか、そうした悩みに関しては、患者会の患者さんの経験が役立つと思います。

佐野情報の交流がないことが非常によくないと思いますね。ある意味、損をしているともいえます。そんなときに、「私はこうしている」とか「このやり方をしてみたら」とか、患者さんやご家族の経験を共有したりアドバイスを聴いたりすることは、大きな心の支えになると思います。実際に経験したことを直接聞くというのは、とても説得力があると思います。いまはインターネットで簡単に情報が得られますし、日本血栓止血学会からは治療に関するガイドラインも複数刊行されていますから、人とのつながりがなくても治療が続けられるという環境もあるのは確かです。それはそれでもちろんよいことなのですが、なかにはそうした情報が行き渡っていない患者さんもいるし、治療の地域格差も生じているのが現状です。

森戸他の患者さんとのつながりを持たない方の治療生活がすごく心配ですね。患者会に初めて参加して、元気で走り回っている子どもさんの姿を見たり、大きくなった患者さんを見たりして、安心することも大切だと思います。その姿を見ると、「自分の子どももこの方みたいに大きくなれる」って思えますよね。それが患者会の大きな役目だと思います。

佐野もしかしたら、患者会を敬遠されている方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、現在の患者会の垣根は低いと思います。一度来ていただければ、来てよかったと思っていただけるはずです。