訪問看護利用のすすめ
兵庫医科大学病院 医療社会福祉部 伊賀陽子先生

 「訪問看護」とは、病気や障害で医療的なケアが必要な方が、住み慣れた場所で自分らしい療養生活を送れるように、看護師などが訪問し、療養生活をサポートするサービスのことを言います。
 もちろん血友病の患者さんの療養生活支援のためにも利用できるサービスですので、この機会に訪問看護制度についてお話ししたいと思います。

「訪問看護利用のすすめ」目次

1. 訪問看護の種類

 訪問看護には身体疾患を対象とした「訪問看護」と、精神疾患を対象とした「精神科訪問看護」があります。血友病は身体疾患ですので、「訪問看護」を利用することになります。
 また、同じ訪問看護でも、介護保険を利用する場合と、医療保険(健康保険)を利用する場合があり、それぞれ対象となる年齢や疾患、訪問回数や費用が異なります。(表)

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2. 訪問看護でできること

 血友病の患者さんであれば、在宅での自己注射を手伝ってもらう、リハビリをしてもらう、といったことが可能です。ほかにも入浴や食事、排泄の介助、健康状態の管理や療養上のアドバイス、呼吸器や在宅酸素、点滴などの管理もお願いすることができます。

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3. 訪問看護の選び方

 血友病は患者数が少ないので、「血友病に慣れているところ」を見つけるのは難しいと思います。しかし看護師ができる手技であれば、かかりつけの医療機関に協力してもらい、適切な指導をしてもらうことで対応可能となる事業所が多いと思います。
 ただ、訪問看護ステーションにも得意・不得意があります。特に子供への対応ができるところは少ないので、まずはかかりつけの医療機関などに訪問看護の利用について相談してみると良いでしょう。

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4. 訪問看護の利用方法

 介護保険を使って訪問看護を利用する場合は、担当のケアマネージャーに手配してもらうことが可能です。医療保険利用の場合は医療機関に相談するか自分で事業所を探して交渉することになります。訪問してくれる事業所が見つかれば契約をし、病院から「訪問看護指示書」を発行してもらって訪問が開始します。

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5. 介護保険を使うか・医療保険を使うか

 基準になるのは年齢です。65才以上、もしくは40才以上65才未満で国の定めた病気のある方は介護保険の対象となります。それ以外の方や介護保険を受けても介護度が低く、訪問看護以外の介護サービスを利用する予定がない方、65才未満で生活保護を受給している方などは、医療保険を使うことになります。
 詳しくは利用する訪問看護ステーションや病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)などに相談してみましょう。

 訪問看護は上手に利用すれば、その人の特性に合わせたケアを在宅で提供してもらうことが可能になります。血友病の場合は医療費助成制度も利用できますので、費用もほとんどかかりません。
 ご自身の生活をより安全かつ快適なものにするためにも、選択肢の一つとして知っておくとよいでしょう。

表:介護保険と医療保険の違い

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