医療制度
血友病患者さんが利用できる現在の医療費助成制度

血友病の患者さんとそのご家族にとって、医療制度についての知識は大切です。
現在、運用されている制度について、ご解説いただきました。


兵庫医科大学病院 医療社会福祉部 伊賀陽子先生

血友病の医療費は「高い」と言われます。病院では支払いがないのでピンとこないという方も多いかもしれませんが、もし健康保険しか使えなければ、1度の受診でも数十万円の医療費がかかることがあるので、血友病患者さんにとっての医療費助成制度はとても大切なものです。血友病に対する医療費助成制度には以下のものがあります。

【血友病患者さんが利用できる現在の医療費助成制度】目次

1. 特定疾病療養

 健康保険には自己負担が高額になると一部が返金される「高額療養費」という制度がありますが、長期にわたって高額な治療費がかかる疾患の場合、高額療養費よりもさらに自己負担が軽減される「特定疾病療養」という制度を利用することができます。 
 血友病もその対象疾患の一つで、血友病に関する治療費を最大1万円までに抑えることができます。血液製剤を使用している血友病A・Bおよび血液製剤によるHI V 感染症の方が対象であり、それ以外の先天性血液凝固因子障害では利用することができません。
 この制度を利用するためには、加入している健康保険から「特定疾病療養受療証」を交付してもらう必要があります。年齢や利用できる医療機関に制限はありませんが、入院時の食事療養費は助成されません。
 特定疾病療養は対象であっても利用していない方がありますが、原則的には以下の制度と一緒に利用するよう勧められています。

2. 小児慢性特定疾患治療研究事業

 小児の慢性疾患の治療費を軽減するために設けられているのが「小児慢性特定疾患治療研究事業」で、血友病も対象疾患の一つになっています。
 この制度を利用すると、特定疾病療養で1万円まで引き下げられた自己負担を全額助成してもらうことができます。入院時の食事療養費も助成されます。血友病A・B以外の先天性血液凝固因子欠乏症の方も利用することができます。
 対象年齢は18歳未満ですが、継続治療が必要と認められれば20歳まで延長することができます。19歳での新規申請は原則として認められないので注意しましょう。

3. 先天性血液凝固因子障害等治療研究事業

 20歳以上の先天性血液凝固因子欠乏症の医療費を軽減するために設けられたのが、「先天性血液凝固因子障害等治療研究事業」です。
 この制度も利用すると、小児慢性特定疾患と同様に特定疾病療養で1万円まで引き下げられた自己負担を全額助成してもらうことができます。入院時の食事療養費や血友病A・B以外の先天性血液凝固因子欠乏症の扱いも小児慢性特定疾患と同じです。
 まとめると、血友病の医療費助成のしくみは図1のようになります。
 これらの制度は、患者さん達や関係者の長年の尽力によりできたものです。今後もこれらの制度が維持され、安心して医療を受けられるように、制度の適正利用を心がけましょう。
 年齢や合併症の有無によっては、他の制度も利用できる場合がありますので、詳しくは病院のソーシャルワーカー等に相談してみましょう。

助成のしくみ

あなたが佐利用できる制度は?

各制度の申請方法と注意点

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