遺伝子組換え血液凝固因子製剤(Recombinant Factor)

遺伝子組換え血液凝固因子製剤(Recombinant Factor)とは

遺伝子組換え凝固因子とは、実験室で作り出された第VIIa因子、第VIII因子、血液凝固因子のことです。これらの凝固因子製剤はヒトの血液または血漿からつくられたものではありません。遺伝子組換えDNA技術を利用して、ヒト凝固因子遺伝子をヒト以外の細胞に挿入し、その細胞がヒト凝固因子を産生できるようにします。

組換え因子製剤はヒト血漿からは作られていませんが、できてくる凝固因子はヒトの凝固因子とほとんど同じです。遺伝子組換えおよび血漿由来の凝固因子は物理的、化学的構造がほとんど同じで、両製剤ともヒト第VIII因子遺伝子にかかれている遺伝情報に従って作られています。体内に投与されると同じように働きます。

遺伝子組換え因子は下記のようにして作られます。
  • 第VII因子、第VIII因子あるいは第IX因子をコードするヒト遺伝子を、ウイルスベクターと呼ばれるある種のウイルスDNAの断片に組み込みます。つぎにこのベクターをこの遺伝子を発現させたい動物細胞の中に入れます。
  • 第VIII因子あるいは第IX因子の遺伝子を含む動物細胞を、培地と呼ばれる細胞の成長に必要な栄養を含有している溶液とともに大型のタンクに入れます。
  • 動物細胞は増殖し数を増やします。
  • 細胞内の凝固因子の遺伝子により細胞は第VIII因子や第IX因子を生成するようになります。凝固因子がタンク内の培地の中に分泌されます。
  • 凝固因子を含有する培地をタンクから取り出し、細胞をとりのぞきます。
  • 遺伝子組換え凝固因子は多段階の精製過程を経て精製されます。
  • その後凝固因子をバイアルにつめて凍結乾燥しラベルを貼付します。

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