遺伝子治療(Gene Therapy)

遺伝子治療(Gene Therapy)とは

遺伝子治療は正常な遺伝子を何らかの方法で患者さんの体の細胞内に挿入し欠乏しているタンパクを作らせる方法で、現段階では治療法として確立されていません。しかし凝固因子補充療法に代わる治療法となる可能性があります。現在までのところ遺伝子治療によって病気が完治した患者さんは一人もいません。血友病の遺伝子治療は正常な因子の遺伝子(体に凝固因子の作り方の指令を与える遺伝子)を血友病患者さんの体内に入れ、その遺伝子の働きで、体が凝固因子を独力で作り出せるようになる事を期待するものです。理論的には新しい遺伝子は血液中の凝固因子のレベルを上げ、その結果凝固因子製剤の注入は不要になるはずです。この方法は血友病患者さんの完全な治癒ではありませんが、重篤な血友病患者さんの因子のレベルを軽症血友病の因子レベルにまで改善することは出来るでしょう。

IX因子の遺伝子はずっと小さいのでVIII因子より容易に体内に入れることができるので、血友病B患者さんの方がこの方法の恩恵を最も受けやすいでしょう。

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