血友病の治療

皮下出血の
症状と出血時の補充療法について

目次皮下出血の症状と出血時の補充療法について

皮下の構造

皮下の構造

血友病は関節以外にも筋肉や皮下に出血します。
人間の体は皮膚の内側に皮下組織と呼ばれる部分があります。
皮下組織の内側には筋膜に包まれた筋肉があり、その内側に骨があります。
血管や神経は筋肉と筋肉の隙間や筋肉と骨の隙間にあります。

皮下出血

皮下出血

皮下出血の症状:青あざ
打撲が原因となることが多い。皮膚は伸び縮みするので痛みは比較的軽度。

原則製剤投与不要

大きな血腫・顔面の血腫の場合
初回投与量の目安:
体重×10〜20単位(血友病A)
体重×20〜40単位(血友病B)
連続投与量の目安:
体重×10〜20単位(血友病A)
体重×20〜40単位(血友病B)
症状に応じて1日〜3日

皮膚の下に皮下組織があり、太るとここに脂肪が付きます。
皮下出血はここに出血したものです。皮下に出血して血のかたまり(血腫【けっしゅ】)ができると皮膚が盛り上がって、こぶができたようになります。

最初は赤紫色ですが、時間が経つと青黒くなり、最後には消えます。

皮膚は比較的柔らかいので伸び縮みし、その下の組織をあまり抑えつけません。このため皮下の出血だけではそれほど痛みはありません。

青あざの所を押さえるとすごく痛いことがありますが、その場合は皮膚の下の筋肉も傷んでいることが多いです。

原則製剤投与は不要ですが、大きな血腫・顔面の血腫の場合には、輸注が必要になります。

初回投与量の目安は、血友病Aの方は体重×10〜20単位、血友病Bの方は体重×20〜40単位です。

連続投与量の目安も、血友病Aの方は体重×10〜20単位、血友病Bの方は体重×20〜40単位で、症状に応じて1日〜3日継続します。

参考:
  • 血友病基礎講座(兵庫医科大学 日笠 聡)

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