血友病の治療法 定期補充療法

補充療法の原則

補充療法とは欠乏した第VIII因子、第IX因子を輸注し、十分な止血を行うことです。

  • 1.出血に際してできるだけ早期に輸注します
  • 2.出血の部位、程度、種類に応じた投与量、投与法があります

出血に対しての早期発見、早期輸注、早期止血は血友病治療の大原則です。
補充療法により健常人と同じ止血能に改善させることが可能です。

補充療法に使用される第VIII(第IX)因子製剤には、献血から作られた製剤と、遺伝子組換えによって作られた製剤があります。日本では、献血由来の第VIII・第IX因子製剤、遺伝子組換えの第VIII・第IX因子製剤のいずれも使用可能です。

補充療法に使用される第VIII(第IX)因子製剤は、多くの人の血液(日本では献血)から目的の因子だけを取り出して作られる血漿由来製剤と、遺伝子組換え技術を用いて目的の因子を合成する遺伝子組換え製剤に分類されます。
日本では、第VIII・第IX因子製剤ともに血漿由来製剤と遺伝子組換え製剤のどちらも使用することができます。現在使用されている血漿由来製剤と遺伝子組換え製剤については、その効果や安全性に明確な差はありません。

定期補充療法(一次定期注射)

重症型の血友病患者を対象に、2歳未満あるいは最初の関節内出血後(2回目の関節内出血以前)に定期的(例えば週に2あるいは3回)に凝固因子製剤の注射を開始し、これを長期間行うことにより、関節症を未然に防止しようとする方法です。

定期補充療法(二次定期注射 a)

2歳以上あるいは2回以上関節内出血を来した後から開始し、定期的(例えば週に2あるいは3回)に凝固因子製剤の注射を長期間行う方法です。

一次定期注射と二次定期注射のaは、血友病関節症の発症を未然に防止することが主な目的です。

定期補充療法(二次定期注射 b)

頻回の出血、あるいは慢性滑膜炎などに対し、定期的(例えば週に2あるいは3回)に凝固因子製剤の注射を短期間(数週間から数年)行う方法です。

二次定期注射のbは、出血→出血部位の変化→易出血性→出血という悪循環を断ち切り、慢性滑膜炎などで出血しやすくなっている関節の治療が主な目的です。

参考:
血友病基礎講座(兵庫医科大学 日笠 聡)(バクスター)