血友病における家庭療法とは

家庭療法

出血後の補充療法の原則は、出来るだけ早期に適切な量の因子補充を行うことにあります。
この早期輸注を目的として1983年に家庭内治療が正式認可されました。
現在は出血時の補充療法よりも、定期補充療法が血友病治療の主体になりつつあります。

出血後の補充療法で一番大事な事は、出血したらできるだけ早期に因子を輸注することです。その目的から、1983年に家庭療法が認可されました。そして現在は、出血時の補充療法よりも、定期補充療法が血友病治療の主体になりつつあります。
家庭療法、自己注射の最大の目的は、早期に出血を止める、あるいは出血を防止することです。出血後、時間がたってから輸注をするのであれば、病院へ来て輸注をするのと変わりません。
早期止血、あるいは出血防止によって、慢性の障害を残さない様にする、そこに自己注射の意味があるのです。
出血なのかどうなのか迷うことも多いとは思いますが、基本的に何か違和感や痛みがあるときは迷わず輸注する方がよいと思います。
そこで輸注をして違和感や痛みが消えれば、原因は出血であった可能性が高いですし、すぐに輸注して良かったことになります。
消えなければ出血ではなかったのかもしれませんが、注射が無駄であったのかといえば、無駄ではないと思います。
どこか体が痛い、筋肉が痛い、関節が痛い、お腹が痛いということは、そこに何か悪いことが起こっている可能性を示す信号です。
それは出血の場合もあれば、そうではない場合もあります。
その痛みの原因が出血ではない場合でも、痛みを感じる部分は出血しやすい状況になっている事が多いので、輸注により出血が予防できるかもしれません。
後で激しい出血になってから後悔するより、早めに輸注することの方がメリットが大きいと思います。

家庭療法(自己注射)の目的・意義

  • 1.出血時の早期治療・出血の予防・軽減
  • 2.慢性障害を予防する
  • 3.出血時に通院する身体的・時間的・経済的負担の軽減
  • 4.出血による学校生活・社会生活の質の低下の軽減
  • 5.活動・行動範囲を広げ、社会適応をはかる

家庭療法の最も大切な目的は、出血の治療、予防だけではなく、慢性障害を予防することにあります。

家庭療法における患者・家族の遵守事項

  • 1.定期受診(最低1ヶ月毎)、検査
  • 2.主治医の評価と指導を受ける
  • 3.輸注記録表の記入、提出
  • 4.適切な輸注量、輸注方法の厳守
  • 5.製剤の流用禁止(兄弟間など)
  • 6.医療廃棄物の適切な処理
  • 7.主治医への適切な相談連絡

家庭療法は、早期止血、あるいは出血防止によって、慢性障害を残さないようにするための治療ですが、治療のすべてを患者さんに任せる治療ではありません。
医療者ができない「出血したらすぐに輸注すること」や「定期的に輸注すること」を患者さんに代行してもらっているだけです。輸注時期、輸注量をしっかり守り、主治医に自分の輸注方法が正しいかどうか、定期的にチェックしてもらいましょう。