冊子「Friends」

【体験談】血友病のいろんな「恋愛・結婚」〜病気を伝える

言ってみて

わかんないままでも
「持病があるんだ。血液の病気で完治しないんだ。だから生活していく上で、ずっと付き合わなければならないし、製剤や検査が定期的に必要なんだ」みたいなことを言った。「痛いの?」とか訊かれて「腫れると痛いよ」と答えたが、きょとんとしていた。肘が腫れた時にも見せたけど「よくわからないわ」のまま。本当に状態が少しは分かったのが結婚してからだと思う。でも妻は細かいことを気にするタイプではなく、「まあ痛いと、いろいろ不便なこともあるのよね」って感じで、かえって動揺しない態度に救われている。(本人)

もっと早く
ドライブで彼女に告白した。結婚しようと思った時だった。「これを言うと結婚できなくなるかもしれないけど…」って切り出して説明した。急に言われた彼女は泣いたり、怒ったり、車の中でパニック状態だった。僕は何も言えなくて、ただ黙っていた。「なぜもっと早く言ってくれなかったの」と非難された。謝ることしかできない。付き合って半年のことだった。彼女の心の中では結婚したい気持ちと病気を聞いた現実が戦っているみたいだった。2、3時間、車の中にいたと思う。最後に結婚したい気持ちが勝ってくれた。何年も前の忘れられない夫婦の出来事。でももう一度、付き合いからやり直しても、やっぱり“もっと早く”言えなかっただろう。(本人)

少しずつ
部屋にある薬を見て「それ、なあに」と訊かれたから、よい機会と思い打ち明けた。確か交際してすぐだったはず。その時は「ふうん」と何だが分からないといった様子で終わったが、心配になって自分で勉強したらしく、日をおいてからちょこちょこと質問され、その度に説明していた。義父母には妻から伝えたが、そちらが心配していたのは病気よりも娘の面倒を責任持って見られるのかということだったらしく、自分が“仕事は技術職だから大丈夫”と太鼓判を押すとすんなり認めてくれた。(本人)

白血病!?
彼女は白血病とごっちゃになったみたい。「似たようなもんだけど、少し違うんだ」って説明したけど、最後まで言い間違えていた。きっと、はっきり区別ついてなかったかもしれない。知らない人にいきなり説明するのは難しいよね。(本人)

気になるところは他
彼女に話してはいるが、きっちり話しているわけではないので、あまり正確なところはわかっていないかもしれない。もしかすると血友病とかが感染する病気と勘違いされているかも。でも彼女は病気にはあまりこだわりがないみたいで、むしろ自分との交際が続くかどうかを気にしている。(本人)

気持ちが急に
若いときは結婚まで考えて付き合ったことがなかったので、別に誰にも言いませんでした。だって、ただ付き合うのに必要はないでしょ。実は今、付き合って4ヶ月になる彼女がいるんです。最初は結婚は考えてなかったけど、いつ言うかをちょっと考えるようになって、思い切って言ったんです。「それでもいい」って返事された後、“こいつと結婚したい”気持ちが急にふくらんでいます。(本人)

あと何年、生きられるの?
知り合って半年、交際を始めて考えていたが、もともと自分のことをべらべら話すタイプではなかったし、何となく過ぎてしまった。2、3年過ぎた頃、この女性と家庭を持とうと気持ちが固まり、たまたま就職も決まった直後に入院も重なったので、チャンスなんだと感じて告白した。聞いた方はきょとんとしていた。だいぶ混乱したのではないかと思う。「あと何年、生きられるの?」なんて訊かれて、「すぐ死ぬとかを心配する病気じゃない」と説明はしたが、納得するまでには時間がかかったようだ。(本人)

スタッフの力
忘れたけど付き合ってすぐくらいに言ったと思う。向こうはすぐに自分で調べたみたい。実は新婚旅行で海外に行くのに製剤をどうするのか、知りたくて病院に一緒に行ったんですけど、その時ついでにスタッフから病気についても説明を受けていました。あとで彼女は「もっと早く話を聞いていればよかった」と言っていました。(本人)

支える気概
交際してすぐに言った。彼女は「あぁ、そうなの。へぇ」って言っただけ。医療者だったから病院での経験で知っていたようだ。結婚後の生活もたぶん予想通りの感じで驚きはなかったんじゃないかな。病気って私の一部でしかないんだし、それも含めて正直に自分を見せて、受け入れてくれるかどうか。受け入れてくれなければ仕方がない。ただ“私は病気があっても貴方を支えていけるんだ”という気概を見せることが必要だと思う。まあ、体調の悪い最近はこちらが支えて欲しいと思っているんですが…。(本人)

あれ!?そうだっけ
職場で知り合って、4ヶ月後には同棲したんです。でも同棲はじめてすぐに製剤をうたなければならない出血が起きて、説明をする羽目に陥っちゃいました。はじめは“そうなんだ”って感じで聞いてくれてたんだけど、俺が誤解をしていて、子どもが血友病になると言ったもんだから、そこから深刻な雰囲気になっちゃいました。ひと月して彼女と病院に行って、お医者さんから「血友病になるとしても孫の代だよ」って聞いて、“あれ!?そうだっけ”って感じ…。ちゃんと勉強しておけば良かったとホント反省しました。今は二人して孫の頃にはきっと医学も進歩しているに違いないって考えてます。(本人)

不安にさせた
大学時代から付き合っていた彼女には、入院したのを機会に打ち明けた。その時は理解してもらえたし、彼女の親にも話して認めてもらった。実は彼女にも持病があり、その点で親御さんにも受け入れてもらえたところはある。ただ、その彼女が最近、暗い。いろいろ不安らしく毎日のように電話がかかってくる。自分の病気が一因になっているのだと思うと、どうしたらいいのか、申し訳ない。(本人)

本当のショック
いとこが病気を告白したら恋人と別れることになったらしい。それを聞いた父親が「お前は大丈夫か」と訊いてきた。自分は平気と思って告白したら、夜中に突然、電話がかかってきてふられた。彼女の実家が建築職人で跡継ぎができないと駄目らしい。俺は今までは人に大きな事を言ってたし、強い人間だと思っていたが、半年たった今も何もやる気が出ず、知人の女の子には「やはり安心できる人じゃないと一緒になれない」みたいなことも言われて自信をなくしている。ふられたこともショックだけど、病気を理由に駄目だと一方的に世間に決め付けられたこともショックなんだ。(本人)

心の澱(おり)
小さい頃は遊べず「おみそっかす」で、学校時代にはいじめられた体験もある。それに加えて病気を言ってふられたもんだから、かなり落ち込んだ。自分は不良品なので本当は生きていてはいけない存在なのだとまで考えた。自殺したい気持ちは全くないが、結婚した今でも、その想いは心のどこかに澱のように溜まっている。(本人)

良い彼
告白してOKしてもらえたものの、どこか自信がなかった。関係が駄目になるかもという不安がいつもつきまとって、つい遠慮したり、気遣ったりしている気がしていた。連絡がないと嫌われたかなとか考えて、「良い彼」でいようとちょっと無理もしていた気がする。結婚して今は関係が壊れる不安は薄れているが、彼女の良いパートナーでいようという気持ちは持ち続けている。(本人)

そもそも
彼女と付き合い始めて1年後に言った。“肝炎など感染するようなものと遺伝の問題はしっかり言っておかなければ”と告白する時には作戦を練っていた。そうしたら反応は「ああ、そう」って肩透かしをくった感じ。人にもよると思うけど、“病気だからって何か変わるわけじゃないでしょ”と言われた。分かってないから落ち着けるのかもしれないと半分思いながら全部説明したが、最後まで聞いても彼女の態度は変わらなかった。そもそも病気で動揺するぐらいの人なら付き合わなかったろうと後で気づいた。(本人)

参考:
Friends「恋をしよう」編(小島賢一)(バクスター)