冊子「Friends」

【血友病体験談】幼稚園に行こう〜園からの呼び出し

それっ、呼び出しだ!

最初は、転んでも呼ばれた。週に4回呼ばれたこともあった。今はこぶができても呼ばれなくなった。(母)

「危ないな」と思った時は休ませてしまいましたので、別に呼ばれることはありません。でもその分行った時は大丈夫だと思われ、本人も嬉しくて無茶をしますので出血は多かったです。(母)

石をぶつけられて頭を切ったので、製剤を持って1度だけ駆けつけたことがありました。出血が多くてびっくりしましたが、2針縫って、大事には至りませんでした。(母)

年少時に遊具にまぶたをぶつけて、「お岩さん」状態になったことがありました。電話を頂きすぐに病院に行きました。他には子どもが先生に「足が変」と言った事が1回ありました。今、年長ですが、呼び出しはその2回ですね(土日の方が怪我が多いです)。(母)

一学期に1回程度だったと思います。いつも先生に「痛い」というと呼んでくれました。でも、我慢できて、言わなかったことも結構あります。(20代本人)

夏休みを利用して、ハワイのクリスチャンの幼稚園に通わせた。週三回程度の予防投与で、他の子に混じって自転車にも乗れるようになってしまった。一度だけ出血して痛がり、私が幼稚園から呼ばれた。先生に『どこで注射したらいいですか?』とたずねると、「そのへんでどうぞ」という返事。そのまま園児が遊んでいる部屋の隅で注射をしていたが、どの子も全く関心を向けず、当たり前のように自分の遊びを続けていた。小さいころから病気の人や障害者に対する受け止め方が日本と違うことをまざまざと感じさせられた。(母)

入園した4〜5月はちょっとでも血が出ると、一大事と電話がかかってきたけど、半年たった今は、「どうします?」って訊いてくる。『止まってますか?』って訊くと「はい」。どうやら冊子を読んで冷却してくれたみたい。朝に定期投与していたので、『じゃ、そのうち止まりますから』って言うと、「わかりました」って終わり。まあ出血で連絡がなくても、子どもが腕白過ぎるので、結局、連絡は密になってますが・・・。(母)

先輩ママから一言!
見分け方

最初は、出血しているかとか分からなくて、とても不安でした。皮下出血は見た目も変わるし、痛がり方も軽いので、何となく分かるようになるのですが、それでも痛がりはじめは筋肉出血かどうか区別が難しい時もあります。関節出血なのか、筋肉出血なのかって分かりにくいですが、どっちか区別するよりも、まずは出血を早く察知することですね。走っていた子が急に歩くだけになって遊び始めたり、立たなくなって座って遊び始めたり、歩かないで“ハイハイ”を始めたり、歩くときに膝を曲げないで歩いていたりする。片手だけで遊ぶなんていうのもありました。赤ちゃんでも着替えだけで泣き出したりしたことも。お母さんが、何でもない時の子どもの動き、特徴をよく観察しておくといいですね。

ドクターから一言!
出血時の対応

荻窪病院 血液科 花房 秀次

鼻血
ちょっとした鼻血なら小鼻を圧迫し、ワセリンや軟膏などを塗った綿を詰めて止まればOKです。綿だけだと鼻粘膜にくっついてしまい、止血した後に綿をとるときに再出血してしまう危険があります。それでも鼻血が止まらないと製剤を使わなくてはなりません。なお、止まったように見えても長めに綿を詰めたままにすることがコツです。小鼻の内側を圧迫していても口の奥に出血が続く場合は、鼻の奥から出血しているので耳鼻科を緊急受診してタンポンを詰める必要があります。鼻血を繰り返す場合はトランサミン等(トラネキサム酸)の内服が有効です。

こぶ・あざ
小さいものなら圧迫と冷却で収まります。ただ、額のこぶが眼球を圧迫しそうな場合やみるみる腫れてくるような例では注射が必要です。

外傷
小さいものなら、まず消毒して押さえたり、冷やしたりして見てください。止まるなら心配はありません。少し長めに押さえておいて下さい。大怪我の場合は他の子と同じで、病院に連れて行って下さい。

関節内出血と筋肉内出血
見えないので、分かりにくいと思いますが、痛みを訴えたり、歩き方がおかしくなったり、急に動かなくなったりすることが多いようです。捻挫した時のように関節が腫れている、熱を持っている、あるいは筋肉が膨らんでいる、屈伸させたり触ると痛がるなどの様子が見られたら、注射が必要と思われます。

頭蓋内出血
受け入れ側も、保護者の方も一番心配する出血です。ひどく頭をぶつけて、意識がなくなったり、吐いたりする状態は他のお子さん同様に緊急に病院に連れて行く必要があります。しかし血友病では頭蓋内で微量の出血が続く場合もあり、これが注意すべき点と言えるでしょう。ただ、微量の出血なので、半日から数日かけて、徐々に気分が悪くなり、吐く、頭痛が次第にひどくなるなどの症状が出てきます。頭をぶつけたからといって、過剰にあわてる必要はありません。様子を見て、冷静に対処してください。症状がないか軽いが、心配な時は、可能なら家庭で製剤投与を行い、少し経過をみるか、病院に連絡して様子を説明して、指示に従うのが良いでしょう。風邪でも似た症状がでますが、親も子もこうして少しずつ経験を重ねて適切に対応できるようになります。

参考:
Friends「幼稚園に行こう」編(小島賢一)(バクスター)